ラグビー

弱小ラグビー部を強いチームにする その3 始動と指導

勝てる強い部活、チームへ

同級生からラグビー部のコーチであるOBが辞任すると聞き
早速、新キャプテンに連絡しました。

新キャプテンに会い、コーチの件についての事情を聞いて
こちらの気持ちや要望もしっかりと伝えることに。

コーチが辞めるきっかけになった公式戦の年のキャプテンが、
入学式で声をかけてくれた人でした。

残念ながら、声をかけてくれた先輩がいるうちにラグビー部に貢献はできませんでした。

1年生の時の勧誘期間に良くしてくれた先輩方は主に3、4年生だったので、
ちょうどその先輩方が引退されてからの入部となりましたね。

 

新キャプテンは1学年上の人なので、実際あまり話をしたことはなかったんです。

しかし、この先輩がとても素晴らしい人格者だった。
時間もらって、改めてゆっくりと話す機会を作ってもらいました。

改めてゆっくりと話を聞きました。

先輩方も、コーチが辞めるにあたり色々と考えがあったようで、自分たち学生だけで部活をやっていこうと決めたとのことだった。

この大学のラグビー部は歴史が古く、意外とOB会もしっかりとしていてコーチをどうするのかなどもOB会にも報告をせねばなりませんでした。

キャプテンも新チームになるにあたり、是非とも力を貸して欲しいと
言っていただけました。

もちろん、やらせてください。と言うと同時に、入部に際して戦術や練習方法に関して
一切のマネージメントの権限を貰えるようにお願いをしました。

言ってみれば、選手兼監督ですね。

キャプテンはそれも了承してくれました。

勝てるチーム、強い部活への第一歩

SWOT分析

入部が決まり、早速始めたのが内部分析と外部分析。
リーグ戦のビデオを全てもらい、リーグ戦のレベルとチームのレベルを分析しました。

全試合を見てまず感じたのが、下記です。

Strength・強み

  • 経験者のレベル
  • 未経験者の運動レベル
  • 持久力、体力
  • 部員数
Weekness・弱み

  • チームのバランスの悪さ
  • 戦術のなさ
  • 判断の悪さ
  • ポジショニングの不適応
Opportunity・機会

  • 所属リーグのレベル
  • 新入部員

他にもいくつか問題はあったものの、やるべきことはすぐに明確になりました。

そして、他チームのレベルも見てみて、これなら絶対に勝てると確信したのです。

勝つためのポジションと役割分担

目標設定とイメージの共有化

新チームの初練習日。天気は生憎の雨でした。まず最初に、チームに合流した時に挨拶をしました。

簡単に自己紹介をして、と話しました。

「これからみんなでチームを作っていこう。今年のリーグ戦は全試合、50点差以上、完封で勝たせる。」

そう自信を持って宣言をし、部員全員に今年は勝つんだ!という意識を持たせました。とはいえ、最初はそう言われても全くピンとこなかったでしょうね。

しかし、言い続けることでまずは意識させることが大切です。
少しずつ、浸透させていきます。

モチベーションの回復

何年も連続で下位リーグで、入れ替え戦にも上がれず
さらにコーチの問題もあり、チームの雰囲気はあまり良くありませんでした。

元々、そういうチーム気質だったのかも知れませんがね(笑)

練習と遊びの切り替え、そんな基本的なところからはじめました。

ポジションの適正、役割の明確化

リーグ戦のビデオを見て、選手のポジショニングに疑問がありました。

コーチがどう言う意図で今のポジションにしていたのかはわかりませんが、今いるメンバーで考えると変えた方が良い選手が多くいました。

特にラグビーで大切なのがタテのポジションと呼ばれる下記のポジション。

2番 フッカー
8番 No.8
9番 スクラームハーム
10番 スタンドオフ
15番 フルバック

このポジションに判断が良い選手、軸になる選手を配置するのが大切です。

幸い、スクラムハーフに優秀な部員がいたので、他のポジションに良さげな選手を埋めていきます。

チームの戦術や方針によって、適材適所も変わってくるかと思います。

強豪校であれば、組み合わせを数パターン組めると思うんですが、うちのような弱小校は上手に選手を組み合わせる必要があります。

まずはラグビースキル、知識、戦術に長けた選手を軸に置きます。

ラグビーのポジションと適性

ラグビーでは、大きくフォワードとバックスに分けられます。

フォワードがNo.1〜No.8

背番号ポジション名必要なスキル、求められる能力
No.1 プロップ スクラムの要 力があって体を張れる 
No.2  フッカー スクラムのコントロール、フォワード内のバランスを取る 
No.3プロップスクラムの要 力があって体を張れる
No.4ロック長身、ラインアウトのジャンパー
No.5ロック長身、献身的に走れる
No.6フランカータックルが得意、足が早い
No.7フランカータックルが得意、足が早い
No.8No.エイトフォワードのまとめ役、アタック、ディフェンス共に全体を見れる

バックスNo.9〜15

背番号ポジション名必要なスキル、求められる能力
No.9スクラムハーフ小柄でハンドリングスキルが高い、持久力がある
No.10スタンドオフ司令塔 パス、キックの技術、試合の流れ、全体を俯瞰する
No.11ウィング足が速い
No.12センターバックスで一番色々な技術が求められる、アタックとデフェンスのバランスが良い
No.13センターバックスで一番色々な技術が求められる、アタックとデフェンスのバランスが良い
No.14ウィング足が速い
No.15フルバック最後の砦 ゲーム展開に応じてポジショニングを変える

各ポジションに必要な適性、それぞれの部員が得意なプレーや動きを見た上でポジションを決めました。

ウィングだったけどパスとキックが上手だからセンターに変更したり、同じくウィングだったけど体も強くてタックルができるからフランカーに変更したり。

キャプテンもフォワードのフランカーだったけど、パスもできるしタックルもよかったのでセンターに変更しました。

そして、自分はバランスを取るためにナンバーエイトをやることにして、フォワードとバックス両方の指導もすることにしました。

リーダーを作る

さらに、フォワードリーダー、バックスリーダー、スクラムリーダー、ラインアウトリーダーと各プレーにリーダーを任命しました。

トップチームであれば、各プレーに専門家がつくような役割を部員に割り振りました。リーダーという責任を与え、考えるキッカケと学ぶ意味を与えるのです。

 

ポジションの変更、リーダーの任命を告げられた部員は驚いた人もいたでしょうが、何が必要なポジションなのか?何が向いていて、何に秀でてるからそのポジションだと説明をして、年間を通してのプランを伝えました。

戦術と偏差値

そして、こちらも重要な試合の運び方を学ばなくてはいけません。弱いチームほど、戦術がその場凌ぎでチーム全体でのやることが統一されていないのです。

さらに、その戦術は試合中に変動します。相手に応じて、その場その場のシチュエーションに応じて、やるべきことは変わっていかなければなりません。

まずは自分たちのチームの強み、得意なプレーを把握する。

そして、相手チームを分析して、試合中にどこが通じてどこが通じないのかを試していきます。

  • スクラムは勝てるのか?
  • ラインアウトは確実に取れるのか?
  • バックローのディフェンスはいいのか悪いのか?誰が弱いのか?
  • キック処理は上手なのか?誰が一番下手なのか?
  • バックスのデフェンスラインの弱点は?
  • 攻撃のパターンとアタックの強い選手は?
  • キックを蹴る頻度は?
  • キックの精度は?
  • モールは使ってくるのか?
  • ラックをよく作るのか?オフロードで繋いでくるのか?

などなど、これらを試合中に情報収集しながら自分たちチームの戦術を修正していきます。

まずは前提として、チームの戦術の方針を決めます。

その時点で、チームとしてはアタック力はそこそこありましたが、技術がある選手は多くありませんでした。

そのため、あまりキックは使わない。
ラックも使わずに、できるだけオフロードでとにかく繋ぐ。

外へ外へ展開して、強みの体力を活かした展開ラグビーをやる。

という方針を固めました。

ミクロとマクロ分析

理論を学ぶ上で、試合の反省会のやり方がとても大切になってきます。
そこで、リーグ戦のビデオ分析を全員でやることにしました。

どの部活でもビデオで反省会をやると思いますが、大切なのは
次に同じ相手と試合をするとしたら、どれだけ反省点が改善できるのか?ということです。

ラグビーで言えば、30-15で負けたとすると

点差は15点差

2トライ、2コンバージョンゴール以上の差があります。

つまり、トライを3本分の差があります。

1トライ分防げば、マイナス7点
1トライ多く取れていれば、プラス7点

つまり、1トライ防いで1トライ多く取れていれば1点差での負けですよね。

ということは、勝つためには

2トライ防いで1トライ多く取るか
1トライ防いで2トライ多く取るか

どちらかができていれば勝てていたことになります。

そんな算数みたいに簡単にいかないだろと思うかもしれませんが、

ただなんとなく、

  • 負けたから次は頑張ろう
  • 悪かったところを反省しよう
  • 最後バテたからもっと走ろう

それでは勝てません。

もちろん、試合には流れもありますし
1本のトライで大きく結果が変わることもあります。

しかし、ただ15点差で負けたという結果より、
1本多くとって1本防ぐ。

こっちの方が勝つための方法としては、イメージは湧きやすくないですか?

なんとかなりそうな気がしません?w

この、イメージできるということが選手、部員にとっては大きく違います。

 

そのため、ビデオで反省会をやるときにはまずは全体を見て、それから結果につながる小さいプレーにまで目を凝らしていきます。

 

例えば、トライを取られた前に何があったのか?

その3プレーも4プレーも前から、流れを見て分析します。

一つのペナルティーが流れを変えてトライまで繋がることはよくあります。

 

それを知ることで、ノットリリースザボールでペナルティを取られるより、ジャッカルでターンオーバーを許す方がダメージが小さいことなども頭で理解できるのです。

その場しのぎの対処が、後々大きな問題になるのは色々なことに通じていますよね。

 

1つのプレーだけでなく、試合全体を把握できるようになること。仕事であれば、一つの作業が会社の信用を大きく落とすことがあるのと同じです。

 

勝てるチームを作るポイント

  • 自分が作りたいチームではなく、今いるメンバーが最高のパフォーマンスを発揮できるように整える
  • 適切なポジションを与えて、責任と役割を任せる
  • 全員で目標、役割を理解して実践できるようにする

 

続く